柘の印鑑は比較的安価で、広く普及している印材です。耐久性はあまり強くありませんが重量が軽い為に落下時にも衝撃が少ないために欠けにくいという特徴もあります。
頻繁に使用したり長期にわたる使用によって手あかや油分が付き、表面がだんだんと黒ずんでいくのが欠点といえます。
天然の柘植は、朱肉の油分が染み込むともろくなります。特に印面は細かい部分になるので欠けやすくなります。使用後は必ず、布やティッシュ等で朱肉をできるだけ拭き取るとよいでしょう。印面の溝などに入ったかすなどはブラシで軽く磨きます。柘植は、黒水牛やオランダ水牛等の角材と違い、水に濡らさないようにします。
・柘、薩摩本柘の違い
柘植とよばれる材料は目が詰まっていて木の中でもトップクラスに硬く、印鑑に大変適している材料です。
日本では本州から九州に生えているツゲ科の木の黄楊・または薩摩本柘植が「本柘植」といえる印材といえます。
印鑑や櫛で柘(ほんつげ)というとタイや中国から輸入されるアカネという木材の事を指す事も多いです。職人の間では柘植と区別するためにシャム材などと呼ばれています。
見た目はほとんど変わりませんが、柘に比べ薩摩本柘の方が繊維がつまっており、その目も大変きめ細かいのが特徴です。 薩摩本柘は彫刻時に黒水牛に似た粘りがあり、印鑑としての仕上がりがその他の柘に比べきれいに仕上がるのです。
本柘には国産の鹿児島県の薩摩柘、伊豆七島の御蔵島、三宅島産の柘等の国産の良質な柘材があります。
・薩摩本柘(さつまほんつげ)
個人向けの実印などは黒水牛が高級品の中では一般的ですがに、 法人の印鑑では薩摩本柘植がよく使われています。
薩摩本柘は以前は御蔵島でも生産されていますが、現在は薩摩本柘のほとんどが鹿児島県で生産されています。
薩摩本柘ではない「柘」とよばれる物は別名「シャム柘」「黄楊」などとも呼ばれ、そのほとんどの生産が東南アジアなどで行われております。